メイン | 2006年03月 »

2006年02月28日

彼女も永遠に女子高生

麻宮アテナはサイキックソルジャーである。
だから許される、ということはないはずだが、彼女も10年以上高校3年生を続けているはずなのに、なぜか京のようにツッコミを入れられることはあまりない。
それをいうなら真吾もユキも永遠に高校生のままなのだが(そしておそらく真吾は永遠に改造学ランだ)、こちらもまたああだこうだいわれることはない。

おそらく京の場合、『’94』の時点ですでに1ダブの19歳、『’95』で2ダブの20歳となったのがよくなかったのだろう。おかげで「京=留年」というイメージが定着してしまった。
以降、KOFに登場するキャラはプロフィール上は年を取らなくなり、いつしか年齢表記もされなくなったが、京にまとわりついたこのイメージだけはくつがえらなかった。

そういうわけで、真吾やユキが永遠に高校生なのは、途中から時間が流れなくなったことが原因であって、京のように留年しているからではない。
そしておそらくアテナだって、サイキックソルジャーとアイドルの二足のわらじを履きながらも、京のように出席日数が足らずに留年などということはなく、時間の流れさえもとに戻れば、次の春にはきちんと卒業できるはずなのだ。

そんな麻宮アテナが鎮老師のところで修行をしているのは、もともと、いつか現れる巨大な悪との闘いに備えてのこと、というような設定があった。いわば彼女は、将来の正義の味方候補なのである。
とはいうものの、『MI』ではわりと軽いノリでKOFに参戦してしまっている。まあ、何しろ彼女も永遠の18歳なので、毎度毎度「巨大な悪の気が……!」みたいなことはいっていられないのかもしれないが、ならばプライベートのほうでケンスウとの仲が進展するかというとそうでもなく、あの肉まん青年にとっては非常に歯がゆいところではあろう。

『MI2』でのアテナの見どころは、何といってもあの新コスチュームである(公式サイトのほうではまだアップされていないが、雑誌などですでに公開されている)。
アニメ版の打ち合わせの際、アテナの衣装は、この『MI2』版のベースにしようという流れになったことがあった。
ところがその当時、アニメのスタッフさんたちはもちろん、そこに居合わせたぼくやコスプレ課長、さらには抹茶の人でさえも、『MI2』のアテナがどんなデザインなのかまだ見たことがなかった。
そこで急遽、抹茶の人がF氏に連絡を取り、『MI2』アテナのデザイン画をスタジオまで送ってもらうことにしたのだが……。
十数分後、大阪から送られてきた『MI2』のアテナのデザインは、そのディティールの細かさゆえに作画スタッフの労力が大きくなりすぎるとの判断で、アニメには採用されないことになった。

だから、ゲームが発売されたら、みなさんの手でアテナをぐりぐり動かしてあげていただきたい。
今回の新コス、非常にいいカンジだ。

2006年02月27日

続・便利な職業

戦車に対して接近戦を挑む(らしい)バンダナ男と、敵兵を投げていれば戦車砲を食らっても死なない(らしい)グラサン男の話。

ラルフ・ジョーンズとクラーク・スティル――彼らが怒チームと呼ばれているのは、ラルフとクラークがもともと『怒』シリーズと呼ばれる作品群の主人公キャラだったからだ。
ループレバーという特殊なコンパネを採用した『怒』シリーズは大ヒットを記録し、旧SNKに最初の自社ビルをもたらしたとかいう噂をよく聞く。ビルうんぬんはともかく、大ヒットしたのは本当のことで、SNKの歴代人気キャラ大集合! という『KOF』の当初のコンセプトにしたがえば、彼らはまさしく選ばれて当然のキャラといえる。

本来の『怒』シリーズでも、ラルフとクラークはバンダナの色以外に相違点のない完全なコンパチであり、新しく対戦格闘ゲームの登場キャラとして書き起こすのにもいろいろと都合がよかったのに違いない。『MI2』ではもはや体格が似ていること以外に共通点など見出せなくなったラルクラも、かつては首から上とカラーリングが違うだけで、通常技どころか必殺技までそっくりという、秦兄弟も真っ青なコンパチぶりを発揮していた時代があったのだ。

かようなコンパチキャラ出身のラルフとクラークは、チームメイトに多少の変更はあるものの、第1作目から1回も欠かさず参戦を続けている。アンディやロバート、舞やキングといった主役級のキャラがたびたび欠場を余儀なくされる中、なぜこのふたりが皆勤でい続けられるのか?
もちろんラルクラ自身に人気があるのはもちろんだが、ひとつには、“傭兵部隊”という非常に使いやすい職業のせいもあるのではないか、とぼくは思っている。実際、『MI2』のデモを考えていても、このふたりは使いやすかった。

ストーリー上、KOFというのは世界最高峰の格闘技トーナメントということになっているから、参戦してくるのは基本的に格闘家ばかりだ。だが、その裏で進行している陰謀はつねに世界規模のもので、本来なら一格闘家がしゃしゃり出ていってどうこうするような問題ではない(約1名、しゃしゃり出ていってでも悪をどうこうしそうな格闘家がいるにはいるが)。

むしろほとんどの格闘家は、純粋に大会に参加しただけで、自分の意志とは無関係に陰謀に巻き込まれている。当然、行きがかりでラスボスを倒しはしても、さまざまな謎に挑んでくれたりはしない。
しかしその点、巨悪を叩き潰そうと積極的に行動してくれるキャラクターがいると、ストーリーを進めやすくてとても助かる。そういう意味では、以前触れたセスをはじめとするエージェントチームも似たようなものだ。

『MI2』のラルフとクラークも、任務の一環としてKOFに参戦してくる。
具体的には……まあ、ここでは触れずにおくが、もしかすると、ストーリー的にアニメ版と一番クロスオーバーしているのは、K’たちとこの怒チームの面々かもしれない。

2006年02月25日

Art of Fight!

極限流のお話。

『龍虎の拳』――といっても、ここ数年の間にKOFをやり始めた人には馴染みがないはずだ。ひょっとしたら、リョウやユリたちが龍虎チームと呼ばれている理由すら知らないファンも、すでにいるのかもしれない。
『龍虎』シリーズ最後の『外伝』が発売されて、今年でちょうど10年になる。
つまり、KOFがオロチ編での最盛期を迎えていた’97年には、すでに『龍虎』シリーズは新作が発表されなくなっていた。だから、リアルタイムで『龍虎』をプレイしたことのない一部のファンが、リョウたちがKOFのオリジナルのキャラだと誤解してしまうのも、ある意味では仕方のないことといえる。

しかし、リョウとユリはれっきとした『龍虎』シリーズのキャラであって、KOFシリーズのギャグメーカーではない。どうしてもメインストーリーに絡むことができず、ついついコミカルな役どころに収まってしまう傾向があるが、本来のリョウたちは、もっとシリアスなキャラだ。

――という理由で、KOFでのリョウたちを認めたくないというファンは少なくないと思う。
その気持ちはぼくにも判る。
しかし、本来の彼らがどうであれ、KOFで10年以上、彼らはあの芸風(?)でつらぬいてきてしまっている。それを『MI』シリーズでいきなり本来の姿に戻すのは、いささかドラスティックにすぎるのではないか? そんなことをしたら、それこそ初代『龍虎』を知らない世代に、「ユリちゃんが別のキャラになっちゃった!」と思われるだけなのではないか。

これはあくまで個人的な感想なのだが、リアル頭身のポリゴンモデルが演技する『MI』シリーズには、これまでのKOFで極限流の面々が見せてきたコミカルな演技というものが、今ひとつ似合わないような気がしている。
KOFでの極限流のイメージを継承していくべきなのか、それとも彼らが本来持っていたシリアスな方向に戻していくべきなのか――ファンはどちらを望んでいるのだろうか。できれば、『MI2』のユーザーアンケートなどで、そのあたりの判断基準となるデータが得られると助かるのだが。

まあ、それはさておき、今回のユリちゃんは非常に可愛いと思う。
前作のモデルとは驚くほどに別人だ。

2006年02月24日

餓狼キャラの苦悩

『2003』以降、KOFのテリーは、本来の赤キャップ仕様ではなく、『餓狼MOW』のキャップなし仕様のデザインがベースになっている。
一方『MI』では、さすがにそこはポリゴンの強みというべきか、Normalが赤キャップ(若テリー)、Anotherがキャップなし(おやじテリー)という具合に、好みで使い分けられるようになっていた。そして、すでに雑誌などでも紹介されているように、『MI2』のテリーのデフォルトモデルは、前作と同じ赤いキャップの若テリーである。
ただ、シナリオを書くほうとしては、これはいささか居心地がよくない。
なぜなら、『MI』のテリーの隣にはつねに成長したロックがいるからである。

『MOW』の設定上、ロクテリの間には20歳近い年齢差が存在する。
ところが、『MI』に17歳相当で参戦してきたロックに対し、若テリーは、24歳くらいのままで年齢がストップしている。この隣にロックが立っても、義理の親子どころかせいぜい兄弟にしか見えない。だから、このふたりがデモシーンなどで会話をするところに、ぼくは違和感を覚えるのだ。

では、この違和感を解消するにはどうしたらいいのか。
先日も述べたが、『MI』世界ではギースがすでに死んでいる、ということになっている。
ならばいっそのこと、ロックの年齢を基準にして、テリーもおやじのほうをデフォルトにすればいいのではないか。
しかし、そのためにはいくつかの大きな問題点をクリアしなければならない。
若テリーとおやじテリーのどちらがファンにとって強く望まれているか――ということはさておくとしても、テリーがおやじになるなら、今度はビリーもおやじ化していないとまた妙なことになってしまう。『MOW』では未登場なために、40代の不良おやじになったビリーの姿というのはまだ誰も見たことがないのだが、まずこれをファンが納得するデザインとして作り上げなければならないのが難しいだろう。

そしてさらに問題なのが舞である。ロックの年齢を基準にすると、35歳のおやじテリーより3つ年下の彼女は32歳。ヴァネッサ好きのぼくとしては大歓迎の年齢層だが、さすがにあの服装で「日本一~!」とやれるのは、やはり20代前半までだろう。
ならばもっと、30代のオトナのオンナにふさわしい、「秘めてこそ華」的なデザインにすればいいのかというと、これまたそうではない。北米という巨大なマーケットを考えた場合、不知火舞のキャラクターデザインのインパクトは、いまだに無視できない巨大な影響力を持ち続けているのだ。

そんなこんなで、今後の彼らの姿がどういったものになるのかはともかく。
Anotherモデルという形で既存キャラのイメージを打ち破るデザインに挑戦し続けている『MI』シリーズだが、ストーリー面に合わせた形でのデザイン変更に関して、ファンのみなさんはどう思っているのだろう?
機会があれば聞いてみたいものだ。

2006年02月23日

打ち合わせのこと

ぼくは東京の杉並に住んでいて、SNKの本社は大阪の江坂にある。
これだけ離れていると、『MI2』のことでちょっと打ち合わせを、といっても、なかなか顔を合わせられるものではない。
特に開発も大詰めを迎えたこの時期では、F氏たちスタッフのみなさんも、そうそう大阪を離れてはいられまい。
そんなわけで、ここ最近は、チャットでの打ち合わせというのをやっている。ついきのうも、いろいろと話し合った。
まあ、話し合ったというか、ただ単に、SNKの古オタク同士がそれぞれ好き勝手に妄想を垂れ流していただけといえないこともないのだが、いずれにしろ、今この時期に『MI2』の中身についての打ち合わせというのはありえないので、ダベりの中心となったのは今後のこと、すなわち続編についてである。
「あのキャラを出したいね」とか、「このキャラをここで使えないかな」とか、「こいつにはぜひこんな必殺技を!」とか。
まあ、要するにそういうアレである。
その中で、
『MI3』の登場キャラは総勢256人!
……出せたらいいな、という話もした。
そんな現実味のない他愛ないおしゃべりをしながらも、ぼくたちはもっと先へ進まなければならない。

実はきょうもひとつ打ち合わせがあった。
といっても、相手は光回線越しのF氏や抹茶の人ではなく、自称“SNK最強の男”K氏と、大阪からわざわざやってきてくれたSNKの人たちだ。
具体的にどんな打ち合わせをしてきたのか、ここでその内容をぶっちゃけるわけにはいかないが、とにかく、びっちり5時間、いろいろと話し合ってきた。

今後の展開がまた楽しみになってきた。

2006年02月22日

夕陽と月

縁あって、ぼくはこれまで10冊ほどKOFのノベライズをやらせてもらってきた。
そのほぼすべてに、草薙京と八神庵が登場しているが、個人的には、『’97』の時に、このふたりについて書くことはほとんどなくなったと思っている。
ふたりの激突が描かれた『’97』の特殊EDを見た時、ぼくは、京と庵についてはもうそっとしておいてほしいという、当時のスタッフのメッセージのようなものを感じた(というより、SNKへの取材でそう聞いたのだが)。
営業的な判断、あるいは熱心なファンの要望によって、そのまま消えるはずだった京と庵は、結局、これ以降も登場し続けている。それぞれ一歩引いたポジションにいた『ネスツ編』をへて、現在は『アッシュ編』でも重要な位置にいるのだが――。

問題は、『MI』シリーズでのふたりの位置づけである。
現在も続いている『アッシュ編』では、京と庵、それにちづるの三種の神器たちは、「オロチふたたび!」的なストーリーの中で大きな役割を持っており、前回の『ネスツ編』でも、新主人公K’との絡みにおいて、庵はともかく、京はそれなりにストーリーとかかわっていた。
だが、『MI』にはそれがない。
あくまで『MI』は、アルバとソワレという双子の兄弟を主人公とした物語であり、京たちは特に何の関係もなかった(というより、大半のキャラにストーリーらしいストーリーがなかったのだが)。
もちろん、何らかの設定を、多少強引にでもあとづけすれば、メイラ兄弟と京や庵の間に因縁を持たせることはいくらでもできただろう。
たとえばぼくが雑誌掲載用のテキストなとを担当した某携帯ゲーム機用の某KOFでは、オリジナルの新ヒロインを、草薙柴舟の隠し子――つまり京の腹違いの妹にしようという案が製作スタッフのほうから上がった(当然のようにその案は実現せず、代わりに十種なにがしという某アドベンチャー的な設定が出てきたのだが)。

『アッシュ編』が現在も展開中であり、その流れの中で、京と庵のあつかいがどうなっていくのか、それはぼくにも判らない。アニメのほうではすでに庵はアッシュに勾玉の力を奪われ炎が出ないようになっているが、ただ、『MI』のストーリーの中では、このふたりをヘタにいじる必要はないと思っている。京と庵は、すでにこのふたりの間だけで完成しているものがあるからだ。

『MI2』での彼らのストーリーはさておくとして、プレイヤーキャラとしてのふたりは、今回もなかなか面白く仕上がっていると思う。新システムの導入に加え、ふたりともあらたな必殺技、超必殺技を会得しているので、闘い方のバリエーションがさらに広がった。
また、むやみやたらと増えた新コスチュームにも期待していただきたい。

特に、京のNormalモデルの最後からふたつくらいのコスは、たぶん、みんな笑うと思う。

2006年02月21日

便利な職業

『MI』が発表された時、登場キャラの中にセスが混じっているのを見て、ぼくは思った。
セスを出すならヴァネッサを出せ、これ以上女性キャラを出したくないならせめて皆勤賞の紅丸だろう!――と。
『MI』のメンツの中にはいわゆる当て身系に特化したキャラがなく、もしかするとそういう意味でセスが選出されたのではないかと思われるのだが、意外なのは、このセスが『MI』のストーリーに関係しているということだった。
たとえばヴァネッサやラモン、それにブルー・マリーもそうだが、腕利きエージェントという職業は便利なもので、たとえ個人的には何の関係もなくても、「エージェントとして依頼を受けて」というお墨付きを片手にKOFに参戦することができる。実際、セスたちエージェント組は、仕事抜きでトーナメントに出場したことはないはずだ(ラモンはヴァネッサが目当てかもしれないが)。

そして、〈メフィストフェレス〉や〈アデス〉の内情を探るという名目で、セスは『MI』世界のKOFにも参戦している。しかもこちらでは、メイラ兄弟の恩人フェイトとも面識があり、「フェイトを利用するだけ利用して見殺しにした」という理由で双子に恨まれてすらいる。

同時にまた、セスは『MI』のラスボス、デューク氏からも一目置かれている。
トーナメントを勝ち抜いてデュークの前までたどり着いた時、専用のセリフで出迎えてもらえるキャラはわずかに4人。セスはそのうちのひとりなのだ。残りはCemeteryステージでの特殊デモが存在するメイラ兄弟&リアンの3人なので、単純に考えれば、デュークは彼らに次いでセスの存在を重要視しているということになる。

おお……!
かつてこれほどまでにセスがみんなから必要とされた作品があっただろうか。
いや、ない!

『MI』の時点でどういう構想があってセスがプレイヤーキャラに選ばれ、そして双子やデューク氏と絡むことになったのか、それはぼくにも判らない。
だが、ぼくとしては、ただ漫然と参戦するキャラを少しでも減らしたいと考えているし、たとえメインストーリーとの絡みがなかったとしても、どのキャラにもそれなりのドラマのようなものをつけてやりたいと思っているので、セスにこうした因縁があるのは歓迎すべきことではある。

『MI2』でも、セスは例年通り(?)、怒チームと連携しながら今回の黒幕の謎に迫ることになるのだが、もしトーナメントのさなかでアルバやソワレたちと出会ったらどうなるのか――。

少なくとも、髪型の乱れを気にしている場合ではない

2006年02月20日

サブマリンスクリュー!

SNKでデュ-クといえば、まずはデューク・エドワーズ。
F氏のその意見にはぼくも賛成である。

前作『MI』のラスボス、デュークについては、あまりにも謎が多い。
先日も触れたリアンとの因縁についてもそうなのだが、そもそもデュークはどこからやってきて、そしてサウスタウンで何をやろうとしていたのか、ひと通りゲームをプレイしてみても、肝心の部分がさっぱり判らない。プロフィールにも「不明」という項目が多すぎて、いったいどんな人間なのか掴みにくいのである。

しかし、伏せられている真実のことを謎と呼ぶのであれば、『MI』のデュークには、謎は何もない。
ぼくがシナリオの仕事を引き受けた時点で、スタッフのみなさんにお話を聞いても、デュークの設定は特に何もないということしか判らなかった。要するに、彼の詳細については最初から何も決まっていなかったのだ。
バックボーンもプロフィールも設定されていなかったのだから、謎を明かそうにも明かしようがないのは当然だろう。

ただ、KOF忘年会で試遊台に触れたかたはすでにご存じだろうが、『MI2』では最初からデュークが使えるようになっている。ストーリー上の立ち位置はともかく、プレイヤーキャラとして最初から選択できる以上、プロフィールその他についても、ある程度はきっちりと決めていかなければならない。
それこそ、いわくありげな彼の首の傷についての過去やリアンとの関係、フェイト暗殺の真相なども含めて、いろいろと設定を作らなければ、それに基づいたデモシーンを組み立てることができないからだ。

その結果、デュークは思いのほか重要なキャラクターになった。
決して美男ではないがカッコいい。
力任せに手足をブン回すファイトスタイルが気持ちいい。
新技を決めた時の「してやったり感」がたまらない。
そして、梁田清之さんの声が特にいい。どうしてこれほどの男がハイエナみたいな小者を腰巾着にしていたのかと思うほどだ(ハイエナファンのかた、ごめん)。

早く製品版のデュークをぐりぐりと動かしてみたいものである。

2006年02月18日

で、キャンディーって直ったの?

年末のKOF忘年会の時に上映された『MI2』スペシャルムービーには、登場キャラたちの対戦前のかけ合いがいくつもちりばめられていた。
その中に混じっていた、マキシマに対するクーラの非常にショッキングなひと言が、局地的な話題になっていたようである。
まあ、精神的に幼い無邪気な少女のいうことではあるのだが、なぜクーラがマキシマに対してあのようなプチ暴言を吐いたのか――ストーリーモードをクリアしていただければ判るかもしれない。
ついでにいえば、クーラの愛ある暴言は、マキシマだけでなくK’にも向けられるべきだとぼくは思うのである。

ということで、クーラとネスツのお話。
ぼく自身、現在展開中のアッシュ編の話の流れがいまだによく掴めていないのだが、あちらではどうやらクーラはダイアナたちと暮らしていることになっているらしい。
しかし、かたや『MI2』のストーリーの中では、ネスツ崩壊後のクーラは、K’やマキシマ、ウィップたちとともに逃避行の日々を送っていることになっている。

K’やクーラたちはネスツの技術力の結晶といってもいい存在であり、ネスツの残党たちにとってはぜひとも手に入れたい戦力、もしくは研究材料なのである。そうした組織の追っ手を煙に巻きながらも、時には攻勢をかけて逆にいくつもの組織を壊滅させながら、クーラたちは世界中を放浪している――というのが『MI2』での彼女たちの現状だ。
どうもぼくはネスツ編の主人公たちに特別な思い入れがあるようで、ついつい、K’一味(?)をワンセットで動かしたくなってしまう。

ところで、今回クーラのデモやかけ合いを作るに当たって、以前SNKのスタッフサイドからいただいた『2001』当時の資料が見つかった。さまざまな謎を残して崩壊した秘密組織〈ネスツ〉を、普通の会社になぞらえた組織図と、それに付随する説明文である。
これによると、組織のトップにいるのが老人ネスツ(社長)で、その下に位置するのがイグニス&ミスティー(ともに専務)、ロン(一般社員はその存在すら知らない影の常務)。
このほかに何人かの上級幹部(役員)たちが存在するが、その次に来るのがオリジナルゼロと復活クリザリッド(ともに部長)、その下に中級幹部のヒゲゼロ(課長)がいて、下級幹部がいて、そしてようやく「OL暦10年」との注意書きがついたダイアナ&フォクシー(係長)の登場となる。

クーラの保護者たちは、係長のくせに「野望のために!」などと大きな口を叩いていたのである。あのふたりが係長なら、離脱前のマキケは揃って平社員というところか。
ちなみに、足から竜巻を出してくる超強い『’99』クリザリッドは、ダイアナたちより下、平社員より少しだけ上の、主任あつかいだそうである。

おとなのしゃかいってたいへんだなあ。

2006年02月17日

その棒は反則じゃないのか?

すでにTGS2004での速報ムービーに登場していたように、『MI2』の開発当初から、ビリー・カーンの参戦は決定事項だった。ラスボスがどうの新キャラがどうのという話をする以前に、すでにビリーだけは参戦することが確定していたのだ。
三節棍を駆使したビリーの技を3Dでどう表現するのか、開発陣にとっては大きな課題だったと思うが、一方のぼくはといえば、ビリーのあつかいについて頭を悩ませることになった。

2Dで展開してきたナンバーつきの『KOF』と違い、『MI』の世界観の中では、ビリーのボスであるギース・ハワードはすでに死亡している。『MI』のストーリーでそう明確にしめされていたわけではないが、状況的に、そう解釈せざるをえなかった。
すなわち、17歳に成長したロック・ハワードが参戦しており、サウスタウンを舞台にギャングたちが抗争を繰り広げているという時点で、これはもう、ギースは生きてはいない。ギースはロックが幼い頃に死んでいるし、そもそもギースが健在でコネクションが正常に機能しているなら、サウスタウンでギャング同士の抗争劇など起こりうるはずはない。ギースをさしおいて、フェイトやデュークやアルバが、サウスタウンの“キング”を名乗れるわけがないからである。

そんなわけで、『MI』の世界観の中では、ギースはもう死んでいることになった。
では、ギースが死んだあと、ビリーはどうなったのか。
『餓狼伝説』シリーズでは、ギースの死後、ストーリー的にはほとんど進展はなかった。
ギースの死後はビリーがコネクションをまとめているという話もあったが、正直、ビリーにギースの代役が務まるとはぼくには思えない。ぼく自身は、ビリーはただ、ギースの片腕であり続けたいと思う男だと捉えている。
そして、ギースの死後のストーリーを初めて真正面から描いた『餓狼MOW』では、残念なことに、ビリーはおろかサウスタウンがどうなっているかという情報すら出てこなかった。ギースの遺産やロックの母親メアリの生死について、多くの謎をばらまけるだけばらまいて、その続編が世に送り出されることもついになかった。

ならば、『餓狼』世界とはパラレルであるにしろ、『MI』世界は『MI』世界なりに、“ギース後”のサウスタウンを考えなければならない。
そこで『MI2』では、ギースの死後、ビリーはイギリスでの隠遁生活に入った、ということにした(某誌にビリーのストーリーが軽く紹介された時、隠遁ではなく隠居と書かれていて苦笑した)。ギースに成り代わるでなく、ギース以外の誰かに仕えるでもなく、妹とふたりでサウスタウンをひっそりと去るのが、ビリーらしいかもしれないと思ったからだ。

そして、今回ついにその隠遁生活を切り上げて、ビリーはふたたび裏社会の表舞台に――といういい方も妙だが――舞い戻ってきた。
テリーとの因縁の対決はもちろんのこと、ギース亡き後のサウスタウンで“キング”となったアルバとの絡みも注目である。

……そういえば、ヘンな白ずくめに洗脳されたこともあったな、ビリー。

2006年02月16日

新キャラたち

現在発表されている『MI2』の新キャラは、ビリーとクーラとナガセとルイーゼの4名である。
そのうち、ビリーとクーラはすでにファンにとってはお馴染みのキャラだが、ナガセとルイーゼは、この『MI2』がデビューとなる真の意味での新キャラ、『MI』シリーズのオリジナルキャラということになる。

双子やリアンのような、前作からの続投キャラではない彼女たちについては、まだゲームが発売前ということで、あまり多くを語ることはできないのだが、たとえばナガセは、ぼくよりもむしろF氏の趣味が――ビジュアル面以外にも――色濃く出ているキャラだ。

SNK本社で一番最初におこなった打ち合わせでは、ぼくが全体のストーリーをおおまかに説明したほか、どういう新キャラを登場させるかという話し合いもした。その頃からF氏は、こういう女の子を出したいといっていた。
レンズの丸いサングラス+にゅっと後頭部に突き出た髪型というビジュアルイメージも、某キャラへのオマージュのような技のイメージも、それにコンピュータ関係に強いという設定も、すべてF氏から提示されたものだ。ぼくはナガセという名前としゃべり方や異性のタイプ(わー!)を決めたくらいで、本当に、最初からもうナガセはキャラがかたまっていた。
ちなみに、ナガセという名前は某ロボットアニメに登場するアイテムからつけた。やりすぎない程度にそういう元ネタありのネーミングがあったほうが、よりKOFらしいのではないかという、ぼくの勝手な配慮である。

対するルイーゼのほうは、ぼくの趣味のようなものを全面的に取り入れてもらい、かなり好きにやらせてもらった。今回のキーパーソンともいえるキャラのひとりなので、ストーリー上、細かいプロフィールまでこちらで決める必要性があったのも確かだが、ほかにも理由がある。
単純に、ぼくが年上のおねえさん系のキャラが大好きだからだ。
実際のところ、設定上ではルイーゼは双子と同い年で、極端におねえさん系キャラというわけではない。年上の美女ということでいえば、リアンのほうがよほどおねえさんである。ただ、物腰が落ち着いているので、アルバはともかく、ソワレよりは確実に年上に見えるだろう。
もうひとつちなみに、『MI』シリーズの女性キャラというと、さながら全員『KOF’94』の頃の舞ちゃんのごとく、アレが激しくバウンドすることでとても有名だが、リアンや舞とは違う、落ち着きがあって露出度が低くて、しかもナニがあまり揺れないキャラがひとりくらいいてもいいのではないか?――というぼくの思いがF氏たちにも通じたようで、完成したルイーゼのソレはかなり控えめだ。

そういえばナガセもあまり揺れないな。

2006年02月15日

今回アイヌカラーはあるのか?

双子、リアン、ミニョンと来れば、次は当然チェ・リムの出番である。

リムはキムの秘蔵っ子だそうである。
「キムの秘蔵っ子はアリス・クライスラーだろ!」と、最初にリムを見た時にそう思ったものだが、実際のリムは、キムの秘蔵っ子というよりキムのコピーだった。
見た目とボイスが凛々しい女の子であることを除けば、各種必殺技はおろか、セリフの内容までまるっきりキムといっしょなのである。挑発ポーズもキムと同じ。
ここまでくると、
「ひょっとして開発の途中までキムとして作っていたのを、急遽キムの弟子として作り変えたんじゃあるまいか? 何らかの政治的な理由で!
などと勘繰りたくもなる。
このへんの真相についてはかなりデリケートな問題なので、ぼくはテキトーにボカして書くつもりだったのに、気づくとF氏がそれとなくばらしている
親方ったらまったくもう。

まあそんなわけで、キム2世として誕生したリムは、技も性格もキムによく似ていた。
だが、性能的にはともかく、性格までキムと同じようなキャラはふたりもいらない。
ともすれば偽善者呼ばわりされてしまうような、エキセントリックなまでの強烈な正義漢は、キムひとりで充分だ。キムの下の息子のジェイくんだって、真面目には違いないが、決して父親のコピーではないではないか(オリジナルの必殺技も持っていたし)。
ましてやリムは、まだはたちの女の子なのである。

というわけで、『MI2』では、キム的すぎる彼女のイメージを薄めてみることにした。
といっても、いきなり逆側に振りすぎて、勝利ポーズでポンペ踊りをするような不真面目な子にしてはいけないので、真面目で正義感が強いのはキムゆずりのまま、でもキムよりは融通が利く女の子、ということにした。「キムを尊敬しすぎるあまり、言動までキムの真似をしてしまっているが、それにどこか無理がある」というスタンスだ。
ストーリーモードをエンディングまで進めてもらえば――当たり前の話だが――リムがキムとは違う人格の持ち主なのだということが判ってもらえると思う。
それに、いろいろなキャラとのかけ合いでも、彼女がただ生真面目なだけではない、時にはガクッとずっこけたりするような、そんなところもある普通の女の子だということを表現したつもりだ。
今回、キムでさえ会得していない独自の新必殺技を引っさげてふたたび参戦してきたチェ・リムを、ぜひとも使っていただきたいものである。

ちなみにポンペ踊りというのは、キム家の長男が勝利時に見せるふざけた踊りのことである。

2006年02月14日

アンタなんか大ッ嫌い

いきなりこんなことをいってしまうと誤解を招きかねないのだが、ぼくはミニョン・ベアールという女の子が大嫌いだった
初めてSNKの大阪本社で打ち合わせをした時にも、つい、「続編にもミニョン出すんですか?」と、かなり否定的なニュアンスで尋ねてしまった覚えがある。
といっても、別に見た目が嫌いだったわけではない。
見た目うんぬんではなく、その頃のぼくには、魔女っ子というミニョンのコンセプトそのものが、KOFの世界観にまったく合わないように思えたのだ。

だが、慣れというものは恐ろしい。
シナリオの仕事を始めてしばらくたつと、それが次第に気にならなくなってきた。

プレイヤーキャラとしてのミニョンは、かなりスタンダードというか、オーソドックスで使いやすい技が揃っている。前転やジャンプでは抜けにくい飛び道具に判定の強い対空技、そして強力なコマンド投げを持ち、ひとたび相手を壁際に追い込めば、お手軽連続技で一気にKOまで持っていける爆発力を秘めていた。
モーションも可愛らしいし、「わたしはアタマが悪いキャラで~す!」と真正面から名乗りをあげているかのようなボイスも、いっそすがすがしい(注:ホメ言葉である)。

そう、ミニョンはバカだけど可愛い女の子なのだ。
それは最初から判っていたのに、「KOFの世界観になんとなく馴染まないから」という漠然とした理由だけで、ぼくはミニョンを嫌っていた。
そういえば、初めて「’94」の中国チームを見た時も、「何だよ超能力って! そんな怪しげなモンでテリーやリョウに対抗できるのはヘンだ!」と反感を覚えたものだが、そんなぼくも、いつの間にかアテナたちを好意的に見られるようになっていた(今作のアテナも非常によい感じだ)。

あらためて考えてみれば――。
超能力アイドルがいて、全身サイボーグがいて、何でも凍らせる美少女がいて、手から火を出す連中がうじゃうじゃといて――そんな、わりと何でもアリの世界観の中に、いまさらテレポートすらできない魔女っ子がひとりくらい混じったところで、さほどおかしくはないのではなかろうか。

そんなわけで、いまやミニョンはぼくのお気に入りキャラのひとりである。
前作ではNormalモデルの3Pカラーが好きだったが、今回は……。

うふふふふふ。

2006年02月13日

さあ、行くわよ!

きょうは『MI』シリーズの悪の華、リアンのお話。
前作『MI』のメインビジュアルに登場しているキャラは全部で3人。

ご覧の通り、主人公であるメイラ兄弟を両サイドに押しのけ、中央にはリアン・ネヴィルがどどんと構えている。Xbox版のメインビジュアルもこんな感じ。ミニョンも嫉妬せずにはいられない目立ちっぷりだ。
これを見れば、誰もが、「ああ、この作品のヒロインは、このお尻の大きなおねえさんなのだな」と思うに違いない。
ぼくも最初はそう思った。
ところが実際にゲームをやってみると、リアンは、少なくとも普通の意味でのヒロインではないことがすぐに判る。

リアンは、デュークに命じられて、アルバたちの恩人であるフェイトという男を殺した(と思われる)女暗殺者なのだ。すなわちリアンは、ラスボスのデュークと並んで、フェイトの仇として双子に敵視される存在ということになる。ヒロインというよりむしろ宿敵だ。
もっとも、前作ではそのあたりの詳細が明らかにされることはなく、かろうじてリアンのエンディングで、彼女もまたデュークを親の仇として狙っている、ということが判明しただけだった。
そのおかげで、余計にリアンの周辺の人間関係がややこしくなっている。

リアンの両親は、なぜ、いつデュークに殺されたのか?
リアンはなぜ両親の仇であるデュークの下ではたらいているのか?
フェイトを殺したのは本当にリアンなのか、それともデュークなのか?

『MI2』のシナリオを書くには、このあたりのことがはっきりしていなければならない。
なので、スタッフのみなさんにいろいろとそのへんの話を聞いてみた。
それをぼくなりに噛み砕き、整理して、足りない部分をおぎない、場合によっては「ここの設定はちょっと……」という部分を煙に巻き、リアンという女暗殺者の設定をかためた。

『MI』のオープニングムービーでは、リアンのことをfemme fatale assassinと表現している。
femme fataleとは「運命の女」という意味――特に、「男にとっての運命的な女」という意味だ。
果たしてリアンは誰にとっての運命の女なのか、それを考えると、なかなか意味深ないい回しである。

……などとカッコいいことをいいながら、ぼくはあまりうまく彼女をあつかえない。
CPU戦では、たいていいつも、↓LK>↓LK>アサルト・タイプδというコンビネーションだけで闘ってしまっていた。それだけでわりと何とかなってしまうのがまたいけない。
新技が追加された『MI2』では、美しき悪の華、リアンにふさわしい華麗な闘い方を身につけねば。

2006年02月12日

きょうもきょうとて

きのうのアキバに続いて、きょうは新宿でおこなわれた体験会の様子を見にいった。
まずこちらが、新宿西口にあるヨドバシカメラマルチメディア館前。

とりあえず、寒い。太陽は出ているが、風がけっこう強いので非常に寒い。
屋外で足を止めてもらわなければならない体験会にとってはかなりマイナスな状況だが、それでも、何度も並んで熱心にプレイしてくれるファンの姿が見られてほっとした(きのうのアキバより、心なしか女性率が高かったように見受けられた)。
ここではご覧のように、試遊台が2台にモニターが2台という構成になっていて、右側のモニターは右側の試遊台でのプレイがそのまま表示され、左側のモニターには、きのうのソフマップで流れていたのと同じプロモーション映像が流されていた。

こちらの体験会には、一部で有名なコスプレ課長K/の姿もあったのだが、この寒空にあの恰好はさすがにキツかったのか、やけにあたたかそうなサラリーマン的スタイルだったので、ぼくはそこはかとなく幻滅した。道行く人にドン引きされながらも、あの恰好でチラシを配ってくれていることを期待していたのに……。
なので、
コスプレしているからこそのコスプレ課長じゃないんですか? コスプレしていない上にK’にも似ていないのなら、きょうからぼくはあなたのことを『ただの課長/』と呼びますよ?
と、語気荒く詰め寄ろうかとも思ったのだが、
「ほらほら、これ、持ってってくださいよ~。もし事故か何かで地下に閉じ込められたら役に立ちますよ~」
などといいつつ例のボールペンをくれたので、辛辣なセリフは吐かずにその場を立ち去った。
このボールペンをそういう目的で使うことなどおそらく一生ありえないとは思うが、とにかくありがとう、コスプレ課長。

さて、次にぼくが向かったのは、新宿駅東口方面、さくらやホビー館である。

こちらは試遊台が2台に小型のモニターが数台、さらに右のほうにハイビジョン対応の大きめのモニターがあり、やはりプロモーション映像をだらだらと流していた。しかし、ここでは小さな子供+その親御さんという客層が目立っており、そういう意味では、『MI2』が狙う客層とは少し乖離があったような気がする。
ただ、こちらでもそれなりの数の人が、途切れることなく試遊台で遊んでくれていたので、スタッフのひとりとしてはほっと胸を撫で下ろしていた次第である。
何しろこの日の新宿では、元祖3D対戦格闘ゲーム第5弾のロケテストが、よりにもよってヨドバシカメラの隣のゲームセンターでおこなわれていたのだから。

以下、おまけ。

体験会で配っていたチラシとボールペン。
チラシには、公式サイトにも出ていない重要な情報がさりげなく載っていたりする。

2006年02月11日

行ってきた!

きょうは東京・アキバで『MI2』の体験会が開催された。
体験会の有無にかかわらず、土曜日の午後というだけでアキバの混雑は容易に想像がつくのだが、ここはあえて行かねばなるまい。
F氏をはじめとした多忙な開発スタッフ陣に代わり、ぼくがファンたちのナマの反応をこの目で(こっそり)確かめに行くのだ!

――ということで、体験会開始後30分ほどでアキバに到着。
アキバでの体験会は2ヶ所でおこなわれたのだが、まずぼくが訪れたのはアソビットシティである。
試遊台の周りはだいたいこんな感じ。

ちなみに、ゲーム画面の撮影は禁止されているので、あす以降の体験会に行く人もそのつもりで、節度あるプレイを心がけていただきたい(といいつつ、この遠距離ショットは無許可で撮影してしまったが)。

中にはぼくのように、この体験会のためだけに来た人というのもいるのだろうが、通りすがりに足を止めてちょこっとプレイ! という人がわりに多いように思われた。中にはどう考えてもKOFシリーズより年下のちびっ子とかが、母親らしき女性といっしょに遊んでいく姿も見受けられた。
ただ、ここでは2台ある試遊台がどちらも純正パッドしか接続されておらず、スティックでの操作に慣れてしまっている人には、複雑なコマンドは出しにくかったかもしれない。

さて、次にぼくが向かったのはソフマップ本店。
こちらではきちんと広報さんに挨拶してからこそっと撮影させていただいた(おそらく、SNK公式サイトのほうでいずれきちんとした体験会レポがアップされると思う)。

こちらにも2台の試遊台が用意されていたが、嬉しいことに、左側の台にはパッドではなくジョイスティックが接続されていた(そのため、左右の台で列の長さに差が出たりもしていたが)。
それともうひとつ、こちらは左右の台の間にもうひとつモニターが置かれており、そこでは『MI2』のプロモーション映像が流されていた。一瞬、忘年会の開発者トークショウの時に流れていたものと同じかと思ったのだが、ぼくにも見覚えがないシーンが数多く混じっていたため、どうやら新しく用意されたものだったらしい。
ああいう形で不特定多数の人々の目にさらされてしまった以上、ここでちょっとくらいしゃべってしまっても大丈夫だとは思うが、ゲームモードを紹介する際の映像の中で、テリー・ボガードvs SV-001/Ⅱという、大変シュールなものが混じっていた。ぼくにとってはあまり目新しい映像ではないのだが、初めて目にする人にはインパクト充分だったはずだ。

個人的には、新キャラのルイーゼでプレイしている人を多く見かけた。いったいどういう操作感のキャラなのか、やはり気になるのかもしれない。

とりあえず、あしたは新宿の体験会に行ってみようと思う。

2006年02月10日

似てない双子

『MI』シリーズの主人公は、アルバ・メイラとソワレ・メイラの双子の兄弟である。
京や庵、K’、アッシュといった歴代の主人公たちとくらべると、家庭用オリジナルタイトルに1本だけしか出演していないという点で、知名度的にいささか低い位置にあまんじていた彼らだが、年末から配信がスタートしたアニメ版の第1話のおかげで、KOFファン、SNKファンからの認知度も確実に上がってきたように思う。『MI2』開発陣のはしくれとしては嬉しいかぎりだ。

このふたりについて、以前どこかで(FALCOON号の中かな?)、「双子なのに似てないのはなぜなのか?」というような質問がファンから出たことがあるらしい。
まったくもって同感である。

もっとも、なぜ似ていないのかと疑問に思う以前の問題なのだが、ぼくは最初、このふたりが双子だと気づかなかった。『MI』が発売された時点で、確かこのゲームや公式サイトの中に、「双子」とか「双生児」とかいう単語はひとつとして出ていなかったのではないか。それこそ顔はあまり似ていないし、体格にも差があったし、だからぼくは、てっきり弟のほうが背が高い年齢差のある兄弟なのだと勝手に思い込んでいた。
その後、『MI2』の作業に入り、彼らの詳しい設定を考える段になって、誕生日と血液型が同じことが気になった。そこで「もしや……?」と思って前作の製作スタッフに尋ねてみたら、ふたりは正真正銘の双子だという答えが返ってきた。
ぼくもそれまでは、彼らが双子だという確信を持てなかったのだ。

アルバとソワレは双子なのになぜ似ていないのか、それはぼくにもよく判らない。
F氏の先日のブログに、デザイン的に似ていない理由がちらりと書かれていたが、要するに、「2Dの秦兄弟みたいにコピペで作ったわけではないので似ていない」のだろう。
――などといってしまうと身もふたもないが、しかし、たとえ似ていなくともこのふたりは一卵性双生児なのである。でないとこの先ぼくが困る。

ただ、もしこの兄弟が、モデルは共通でコスチュームと技のモーションと髪型ぐらいしか違うところのない、格ゲーにありがちな「似すぎた双子」だったら、たぶん、誰にも見向きもされなかったのではないか――ということを、ぼくはときどき思う。

計算高く、つねに冷静で、意外に華奢な兄アルバと、いかにも陽気なお調子者で、感情の揺らぎによって強くも弱くもなる弟ソワレという組み合わせは、ボガード兄弟の関係とも似ていないし、秦兄弟ともイーグル兄弟(誰それ?)とも似ていない。しいていうならサムスピの風間兄弟に似ていないこともないが、あのふたりともやはり少し違う。
ことKOFシリーズにかぎっていうなら、メイラ兄弟は、これまでにない主人公像を築きつつあると思う。

これからもがんばれ、メイラ兄弟。

2006年02月09日

前口上

当面の目標は、どこぞの『ユサ日記』より頻繁に更新すること。

それを踏まえた上でのブログのタイトルである。
『ウレユサ日記』。
そこはかとなくバカっぽい香りがただよっているが、やはりこれがしっくり来る。

だが、タイトルは決まったものの、何を書いていいかよく判らない。
そもそも開発日誌といっても、ぼくは基本的に杉並の自宅に閉じこもって仕事をしているわけだから、特筆すべきトピックなどそうそうあるはずもない。

いや、本当に何ひとつないわけではないのだが、たとえば、「夜中に舞ちゃんでプレイしていたら、ちょうど胸の谷間のアップのシーンを同居人(♀)に見られて気まずい思いをした」とか、「TGSでコスプレ課長からもらったおみやげの中に青ピンキーが入ってなくて軽くがっかりした」とか、どう好意的に見ても心あたたまらないエピソードくらいしか思い当たらないのだ。こんな超個人的なハナシ、みなさんにとっては正直どうでもいいことだろう。

本当は、自宅に届いたお試し版で遊んで、「クラークが鬼のように強い!」とか「LV3超必威力高っ!」とか「『MI』シリーズはマキケ推奨!」とか、脊髄反射で思ったことをだらだら垂れ流すだけのブログにしたいところなのだが、さすがに公式サイトとなると迂闊なことは書けないので、そういう不確かな情報は個人的なブログのほうで書くことにする。

なので、ひとまずここでは、ぼくが『MI2』に関してどういう作業をしてきたかということについて述べさせてもらう。

前作を遊んでいただいたユーザーのかたがたにはお判りかと思うが、『MI』はストーリー面が弱い。続編の製作に当たって、その弱点をフォローするのがぼくの仕事だった。
具体的には、シリーズ全体のストーリーを考え、個々のキャラクターたちのストーリーを考え、それに合わせたデモシーン用のシナリオを書く。
また、KOFシリーズおなじみの対戦前のキャラ同士の掛け合いを大量に考え、シナリオに起こし、場合によっては対戦時のボイスも考える。
さらには、ストーリーモードの冒頭に流れるキャラごとの開幕テキストや、雑誌などに掲載されるオープニングストーリーのテキストを書く。
……というようなことを、かれこれ1年半くらいやっている。
もちろん、アフレコやモーション撮影に必要なデモ用のシナリオについては、去年の今頃にはほぼアップしていたが、途中で入ってきたアニメの脚本監修やCDドラマのシナリオ執筆など、KOFに絡んだ仕事をずっと継続して続けている。
最近はというと、このサイトにも掲載されるであろうキャラクターストーリーの手直しをしている段階だ。

もっとも、その作業がすべて完了しても、ぼくの仕事はまだまだ終わらないと思うが。